最終更新日時: 2024/04/10 16:01
ワイヤーカットとレーザーカットは、どちらも材料を高精度に切断する加工方法 です。しかし、両者には原理や特性に大きな違いがあります。この記事では、ワ イヤーカットとレーザーカット加工の違いについて、詳しく解説します。
ワイヤー放電加工機は、細い金属線(ワイヤー)に高電圧を印加し、ワイヤーと 工作物の間で発生する放電によって材料を溶断します。導電性材料(金属、グラ ファイトなど)の切断に適していますが、非導電性材料の切断には適しません。 非常に高い切断精度が得られ、一般的に±1μm程度の精度が実現可能です。切断面 が非常に滑らかで、バリの発生もほとんどありません。 切断速度は比較的遅く、加工速度は材料や加工条件によって異なりますが、数mm/分程度が一般的です。ワイヤーの消耗や加工速度の遅さから、加工コストが比較 的高いです。 厚板の加工に適しており、数百mmの厚さまで加工可能です。2次元形状の加工に適しており、テーパー加工も可能です。
レーザー加工機は、高出力のレーザー光を材料に照射し、材料を溶融・蒸発させ ることで切断します。金属、非金属を問わず、幅広い材料の切断が可能です。 切断精度はワイヤーカットに劣り、一般的に±10μm程度の精度が限界です。切断面にドロスやバリが発生することがあり、また、熱影響層が生じる場合があります 。 高速切断が可能で、薄板の場合、数m/分の高速切断が実現可能です。高速加工が 可能なため、加工コストが比較的安いですが、初期投資コストは高いです。 薄板の加工に適しており、厚板の加工は困難です。2次元、3次元形状の加工が可 能で、複雑な形状の加工にも適しています。
ワイヤー放電加工機とレーザー加工機は、加工原理、切断可能な材料、切断精度 、切断速度、切断面の品質、加工コスト、加工厚さ、加工形状などの点で異なり ます。加工対象材料、要求される精度や品質、加工速度、コストなどを総合的に 考慮して、最適な加工方法を選定することが重要です。