ファイバーレーザー加工とCO2レーザー加工との違いとは?

最終更新日時: 2024/04/10 16:01

レーザー加工は、材料の切断や溶接などに広く用いられている技術です。中でも 、ファイバーレーザー加工とCO2レーザー加工は、産業界で特に注目されています。この記事では、ファイバーレーザー加工とCO2レーザー加工の違いについて、詳しく解説します。

ファイバーレーザー加工機の特徴

ファイバーレーザー加工機

ファイバーレーザー加工機は、主に1.07μmの近赤外線を使用し、金属材料の加工 に適しています。特に、銅や真鍮などの反射率の高い材料の加工に効果的です。 高品質なビームを生成でき、ビーム径が小さく、集光性に優れています。これに より、高速・高品質な加工が可能で、薄板の高速切断に適しています。電気-光変換効率が高く、消費電力が少ないため、ランニングコストが安いのが特徴です。 また、メンテナンス頻度も低く、メンテナンス性に優れています。装置がコンパ クトで、設置スペースを取りませんが、装置が高価で、初期投資コストが高いの が難点です。

CO2レーザー加工機の特徴

CO2レーザー加工機

CO2レーザー加工機は、主に10.6μmの遠赤外線を使用し、非金属材料(アクリル、木材、紙など)の加工に適しています。また、ステンレスなどの金属材料の加工 にも使用されます。ビームの品質はファイバーレーザーに劣り、ビーム径が大き く、集光性が低いです。加工速度もファイバーレーザーに劣りますが、厚板の切 断に適しています。電気-光変換効率が低く、消費電力が多いため、ランニングコストが高いです。また、ガスの交換や共振器のメンテナンスが必要で、メンテナ ンス性に劣ります。装置が比較的安価で、初期投資コストが低いのが利点ですが 、装置が大型で、設置スペースを多く取るのが難点です。

まとめ

以上が、ファイバーレーザー加工とCO2レーザー加工の主な違いです。両者は、レーザーの波長、材料への適性、ビームの品質、加工速度、ランニングコスト、初 期投資コスト、メンテナンス性、装置の大きさなどの点で異なります。 ファイバーレーザーは、金属材料の高速・高品質加工に適しており、ランニング コストが安いのが特徴です。一方、CO2レーザーは、非金属材料や厚板の加工に適しており、初期投資コストが安いのが特徴です。 レーザー加工機を選定する際は、加工対象材料、求められる加工品質、生産量、 コスト、設置スペースなどを総合的に考慮する必要があります。また、レーザー 加工技術は日進月歩で進化しているため、常に最新の技術動向を追跡し、自社の 生産ニーズに合わせて最適な加工機を選定することが重要です。 ファイバーレーザー加工とCO2レーザー加工は、それぞれ固有の長所を持っています。両者の特性を理解し、用途に応じて適切に使い分けることが、高品質かつ効 率的なレーザー加工を実現するカギとなるでしょう。

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