SUS304?430?ステンレス材の違いとは?

最終更新日時: 2024/04/10 16:01

ステンレス鋼は、耐食性、耐熱性、強度などの優れた特性を持つため、工業から 日常生活に至るまで幅広く利用されています。ステンレス鋼には多くの種類があ り、その中でも特に一般的なのがSUS304とSUS430です。これらの材料は外観が似 ているため、見分けがつきにくいこともありますが、化学組成と特性が異なり、 用途によって使い分ける必要があります。

SUS304

SUS304

SUS304は、18%のクロムと8%のニッケルを含むオーステナイト系ステンレス鋼です。この合金の組成により、優れた耐食性と成形性を持ち合わせています。特に、 水や多くの化学薬品に対する耐性が高く、食品産業や医療器具、建築材料など、 衛生的な環境が求められる分野で広く利用されています。

SUS304の特徴

  • 優れた耐食性
  • 優れた成形性
  • 非磁性(加工硬化によりわずかに磁性を帯びることがあります)
  • 高い耐熱性

SUS430

SUS430は、16%程度のクロムを含むフェライト系ステンレス鋼です。ニッケルを含まないため、SUS304に比べてコストが低く抑えられていますが、耐食性は若干劣 ります。しかし、適度な耐食性と熱耐性を持ち合わせており、家電製品の外装や 建築材料、内装材などに利用されています。

SUS430の特徴

  • コストが比較的低い
  • 良好な耐熱性
  • 中程度の耐食性
  • 磁性を持つ

SUS304とSUS430の違い

  • 化学組成:SUS304はニッケルを含み、SUS430は含まない。
  • 耐食性:SUS304の方がSUS430よりも優れています。
  • コスト:ニッケルを含まないSUS430の方が低コストです。
  • 磁性:SUS304は非磁性またはわずかな磁性を持つのに対し、SUS430は磁性 があります。
  • 用途:SUS304は耐食性が特に重要な用途に、SUS430はコストと耐熱性を重 視する用途に適しています。

結論

SUS304とSUS430はそれぞれに独特の特性を持つステンレス鋼で、使用目的に応じ て選択することが重要です。耐食性と衛生面が優先される場合はSUS304が、コス トや磁性を考慮する必要がある場合はSUS430が適しています。それぞれの特性を 理解し、最適な材料選択を行うことで、製品の品質と性能を最大化することがで きます。

板金・平板の製造依頼にお困りですか?

まずは無料見積りから!